競走部監督ブログ 

明治大学体育会競走部監督園原健弘のブログ

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古賀ユニバ銅メダル。団体金メダル。

関東インカレ2部落ちの後、「敗軍の将、兵を語らず。」とインカレの総括を控えておりました。今日、古賀が無事銅メダル、団体金メダルを獲得してくれたので少し思いを綴らせて頂きます。

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この間、藤森(女子100MH)の活躍、全日本駅伝予選での2位通過、ホクレンなどでの中長距離勢の自己新連発。と、スタッフ、選手はそれぞれに最善を尽くし、最高に近い結果を残してくれています。

 

そして今回のユニバでの阿部の銀メダル(10000M)、古賀の銅メダル(20KM競歩)。これでやっとここまでの活動に総括ができそうです。

 

本当にほっとしました。

 

インカレ2部落ちの最大要因は競歩勢の不振でした。競走部方針として、箱根駅伝の活躍、関東インカレ1部死守は大きな目標であり、絶対に失敗してはならない戦いです。

 

インカレ後、吉澤コーチ始め、競歩陣にはかなり厳しいことも言いました。「エリート競技ではなくレクリエーションスポーツになっている。」と。もちろん私自身に対してもです。

 

明治のように、総合的に選手を受け入れる事が出来ないチームにとっては、ある種目に特化して強化を図り、そこで大量点を稼ぐ。いわば、競歩の選手を推薦枠を使って入学してもらい、大量点を取る。というシンプルな作戦です。

 

4月のミーティングの時に、競歩ブロック長が「競歩ばかりに頼らないで、他のブロックも頑張ってください。」みたいな挨拶をしました。本人には悪気はないのですが、私には違和感がありました。甘く見ている。「もう自分たちは得点とるからみんなも頑張ってね。」みたいな認識。その点はブロック長に指摘して引き締めましたが、結果は案の定です。

 

更に、エースの古賀がユニバに決まっていたこともあり、陸連の今村部長から、「ユニバでは団体の金メダルを狙うために、古賀選びました、ついてはフォームの改善をお願いします。」とリクエスト受けていました。確かに古賀は失格になる可能性があるため、フォームの改善が必要な状況でした。吉澤コーチと相談して、陸連の三浦康二先生に、古賀のユニバ対策コーチをお願いしました。陸連の合宿などにも参加して、ゆっくり、じっくりフォームを固め改善がみられていました。

 

しかしながら、インカレが近づき、チーム状況、他校分析をみると、一部残留には厳しい情勢と感じてきました。そこで、競歩チームは必ず3名入賞、古賀は東洋勢と勝負して良し。と檄を飛ばしました。個人競技とは違うチーム戦での戦い方の難しさです。上述したように、明治の競歩は日本の競歩を支える一角でもありますが、大学においては一部残留の屋台骨です。ここで頑張らせなくては!という想いでした。まして私の監督就任一年目、私の出身種目の競歩で頑張らせなければ。でした。

 

しかし、結果は古賀が早々に失格、上位入賞期待した村尾が入賞外、永原が何とか下位入賞と想定外の最悪の結果でした。この時点で2部落ち決定。

更に古賀の失格は明治だけの問題ではなく、攻勢を続ける日本競歩界にとっても不安を募らせるような事態でした。同じユニバ代表の川野も失格になっており。ユニバで失敗した時の日本競歩界に与えるダメージを考えると。これは一大事という感覚でした。

翌日、ユニバで競歩の担当コーチをしてくれる東洋大の酒井監督を古賀とともに訪れて、残された期間での修正を誓いました。

 

ユニバシアードは、JOCの派遣となるので、陸上界にとっても大切な大会です。古賀がユニバに選ばれた3月からフォーム改善をメインに7月に的を絞ったトレーニングを崩してしまいました。このまま、古賀がユニバで失格となれば、古賀にとっても申し訳ないことをしたと。いう想いの残る1ケ月半でした。

インカレの後は、古賀のコーチを陸連の三浦先生に完全にお任せしました。フォーム改善のスペシャリストです。我々も傍らでサポートしながら勉強させてもらっていました。

 

ユニバで古賀のレースが終わって、やっとインカレの振り返りが出来るという気持ちでした。

そして、そしての今日、古賀3位。想定以上です。7位、8位でいいと思っていたので。

 

本当にほっとしました。

 

まずは三浦先生に感謝です。土日の練習、毎日の動画、スケジュールや練習の意味の講義、大変な労力を頂きました。

 

また今年より陸連事務局に入って忙しく飛び回る吉澤コーチが暖かく選手を見守ったこと。

 

少し、甘ちゃんだった選手達が、古賀の日の丸を背負う取り組みを見て意識改革して、一緒に頑張ろうとサポートしている姿。

 

インカレの2部落ちという大きな代償を上回る大きなものをこれから掴まないといけません。

 

古賀、よく立て直したと思います。本人が一番きつい時間だったと思います。よく頑張った。