いつも明治大学体育会競走部を応援して頂き有難うございます。
既にマスコミなどで報道通り、競走部は箱根駅伝においてサトウ食品株式会社様にユニフォームスポンサーについて頂くことになりました。
競走部HPからの発信はこちら
スポンサード頂ける経緯について、競走部学生からも教えてほしいとリクエストあり、この場で公開できる情報は出そうと思います。私もスタッフや大学当局とはしっかり情報共有したつもりでおりますが、肝心の競走部員には情報共有なく、学生からリクエストあった時に、「あっ、そうだった。」と反省しました。学生の中には学業的に「スポーツビジネス・マーケティング」などを学んでいる者もいて、絶好の学びの場を奪うところでした。
そもそもの出発点はこちら
WA(世界陸連)がユニフォームの広告規程を改訂しました。これは2020年4月から適用され日本陸上競技連盟もこの規定に沿って運用ということになりました。
どんな規定変更かと言うと、所属チーム(学校含む)以外にもう一つスポンサー名が表示可能になる。というものです。詳細は⇒こちらを参照ください。
テニスやF1、プロスポーツなどではスポンサー名がベタベタ貼ってある。あんな感じを徐々に解放していこうということでしょうか。
それでもこの情報をすぐさま理解処理できて実行に移せる選手はなかなかいませんでした。上半期や10月に日本選手権見て、これを取り入れていたのは寺田明日香(100MH)さんだけだったような気がします。ご主人がとても有能なマネージメントをされるので、「さすが!」という感じです。
画期的なのは、「学校」でも表記できるとなった点です。
サッカーなどは高校チームもすでにスポンサーがついています。
陸上競技も今後は高校生、中学生レベルでも表記可能となるわけです。
学生レベルは上期は大会が中止になっていたこともあり、この部分についてはほとんど動きがありませんでしたが、全日本大学駅伝の開催が決まったあたりから、徐々に情報が出て動きが始まってきました。
しかしながら、日本陸連はOKしているものの、全日本駅伝主催者の、「日本学連ははこの規定の運用を許可しない。」などの情報が流れたり現場は少し混乱しておりました。許可しない理由は概ね、教育の現場にふさわしくない(?)やチーム間の格差が拡大する恐れがある?などと言ったものでした。(噂レベルのなので真相は??)
全日本大学駅伝前あたりから代理店も動き出したようで、競走部にも問い合わせがありました?
その問い合わせは「全日本大学駅伝や箱根駅伝はスポンサー付けられるのですか?」とこちらが聞きたいような内容を現場にヒアリングしてくる感じでした。併せてこんな企業が興味を示していて、これくらいの金額です。という提示もあり。スポンサー料の相場感も何となくわかってきた感じです。10月の初旬頃ですね。
全日本大学駅伝に向けては、こんな状況でしたので、どのチームも準備できずでした。
その後、全日本大学駅伝が終わって、箱根駅伝主催者の関東学連に問い合わせると「日本陸連の規定通り」です。と言うことでしたが、関東学連の方から積極的に「スポンサー付けてOK]という情報は出ませんでしたが、日本陸連規程だからOKなんだ!という理解でスポンサー探しが本格化しました。この時点でも各校の監督はどう動いていいのかという感じだったと思います。
競走部は佑樹駅伝監督がこのあたりの感覚も鋭く(大手企業ですから)、まず義理があるところにお願いしましょう。ということでお声かけさせていただきました。それいいんじゃない!?というところもありましたが、そこは成立せずでした。
前出の代理店からは10チームまとめてスポンサードしたい企業が何社かあると金額も含めてオファー頂きました。企業にすれば1チームだと箱根駅伝とは言え先頭争いなどに絡んでTV画面に映る確率を考えた時のリスクヘッジを考えれば、「なるほど!」ということになります。新聞報道ではアマゾンなどの名前もでましたが、他にも大手製薬会社、電機メーカーなどのお名前も。新興企業の方からもコンタクトありました。
このタイミングでアルビレックス新潟の大野社長経由で「サトウ食品様」のお話しも頂きました。大野社長と佑樹駅伝監督が同期で仲が良いという経緯です。サトウ食品様は以前から日本陸連にもご支援してくれています。明治大学だけをご支援頂けるということで、また、明治大学の「個」を強くする、自ら切り開く「前へ」へが企業理念に共通するという、熱い想いをお伝え頂き、スポンサードをお願いすることとなりました。
11月中旬から大学へも状況報告を随時行っております。今後大学スポーツが産業化していくことを競走部は積極的に推進していきたいと、確認しております。他にも施策を打っております。
その為にはお金の流れの透明性や収益事業となった時の税務処理、会計報告などしっかりする必要があります。また大学法律顧問からは契約主体をどうするかなど、様々な問題提起があります。しかしながらどの部局でも今回の話は「とてもいい、有難い話し。」と好意的に受け止めてくれています。
大学スポーツは自発的な課外活動の一環として活動してきました。その運営母体もその部の卒業生組織によるOB会が主体です。明治大学は昨年度より大学組織の中に明確に体育会を位置付けて頂きました。他大学、新興大学などは最初からその形態です。教育の一環、課外活動、という位置づけだけでなく、広報宣伝活動の一環で大きな予算をとってチーム作りをしております。
明治大学は活動予算は、多分、箱根参加チームの中で一番少ないと思います。またスタッフも基本的にボランティアです。ネットには競歩のコーチが多くて、競歩のコーチの人件費になるような寄付などしたくない。なんて書き込みもありましたが、日々の指導活動に関わる経費(旅費交通費のみ)しか負担しておりません。佑樹駅伝監督のプロとしての力量、結果に応える仕組みも現在はありません。
また、ど真ん中におくべき学生の住環境も非常に厳しい物があります。今回スポンサード頂いた資金で是非、住環境、トレーニング環境の改善を図りたいと思います。
大きな話では、大学スポーツがどんな価値を生み出せるか、そんなことの挑戦となる今回の箱根駅伝スポンサードとなると思います。箱根駅伝を見て多くの企業様もスポンサード出来るの?と気づかれるでしょうし、学校側もスポンサードしてもらっていいの?となると思います。
アメリカでは大学スポーツがその大学の経営に大きく関わるようです。寄付金が1兆円を超える大学もあるようです。日本では慶応と東大が400憶くらい、100分の1しかありません。競走部の活躍が大学にも寄与したいと思います。
箱根で一番恩恵を受けるのは間違いなくNIKEです。シューズの使用率の高さが金銭的にスポンサードした企業以上の直接的な宣伝効果となるでしょう。ナイキに時価総額は18兆円にもなるそうです。(フィードバックしてよ。)
競走部はアディダスにご支援頂いております。恩返ししたいです。
スポーツの持つ力、価値、このコロナ禍で学生も色々感じています。考えています。学業という教育現場に先行して、活動を再開していることに、批判的な声も我々のところに届いておりますし、規制もあります。当然のことと思います。
大学の体育会というと全ての価値観を同一方向に揃えがちと思っているかもしれませんが、様々な価値観を求めあっています。まさに個を磨き自ら切り開く「前へ」!
そういった意味で、学生から「今回の経緯を教えてください。」というのは嬉しい。
そして昨日は箱根に出場できない4年生の競技が終了。
「本当に4年間よく頑張った。君たちを誇りに思う!もうひと頑張り頼む!」
サトウ食品様!本当に今回のご支援有難うございます。しっかり恩返し出来るようにがんばります。
佑樹駅伝監督。実はレベルが違う。
原監督、大八木監督、酒井監督も凄いし敬意を表しますが、佑樹駅伝監督の旭化成という実業団で磨き上げた指導力はレベルが違うものだ!と最近実感しています。
箱根駅伝の活躍で他ブロックのレベルもあがります。
引き続きご支援、ご声援よろしくお願い申し上げます。